
1.品質に関する事柄
塗装後に剥がれやすくなる要因は?
剥がれる主な原因は前処理の不足と施工・環境の不備です。
前処理の不足として次の事柄があります。
- ・金属の加工や切断時に使用された切削油や油分・指紋が表面に残っている脱脂不足
- ・発生している錆やごみを完全に取り除いていないことやサンドペーパー等で表面を粗していないことによるケレン不足
- ・アルミやステンレスなど表面の酸化膜や平滑すぎる素材に適合した専用のプライマー処理(下塗り)の欠落
▽施工・環境の不備として次の事柄があります。
- ・鉄やアルミ等に適合しない下塗り材の選定や下塗りを省いた塗布ミス
- ・塗装時の気温が低すぎたり湿度が高すぎたりする不適切な塗装環境
- ・下塗りや中塗りのインターバル(乾燥時間)が短いことによる中に溶剤や水分が閉じ込められる乾燥時間の不足
M:前処理の不足対策として次の事柄があります。
- ・部品の大きさや素材に適合した方法により加工油や金属粉、溶接スパッタ、水分、ホコリやバリを完全に取り除く
- ・鉄や亜鉛メッキなどは金属表面をリン酸と亜鉛を主成分とする処理液で化学反応させ微細な結晶の皮膜を形成する表面処理を行うリン酸亜鉛処理を行う。
▽施工・環境の不備対策として次の事柄があります。
- ・工場内の塗装ブースの適切な気温(5℃以上)と湿度(85%以下)の環境管理を徹底する
- ・インターバルを確保するための薄塗りを数回行う工程管理を徹底する。
塗装に部分的な変色や色ムラがおこる要因は?
主な原因は次の事柄になります。
M:対策として次の事柄があります。
- ・主剤が十分に混ざっていない撹拌不足
- ・指定外の溶剤や規定量を守らない希釈量により顔料が分離してしまう不適切な希釈
- ・スプレーガンの動かす速度、距離、角度が一定でない塗装技術の未熟
- ・極端な高・低温や高湿度による乾燥速度が不均一になる塗装環境の異常
- ・油分等素地の汚れによる下地処理の不備
M:対策として次の事柄があります。
- ・塗装前に撹拌機で規定時間しっかり混ぜ、社内で決められた温度湿度別粘度を正確に調整する。
- ・スプレーガンの吐出量、パターン、ガン距離・速度を社内で決められた数値で作業する。
- ・屋外で使用する金属には耐候性の高いアクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料を選択し、紫外線に弱いエポキシ系は選択しない。
ただし、エポキシ系は高い防錆性があるので、下塗りには選択する。
- ・塗装前に撹拌機で規定時間しっかり混ぜ、社内で決められた温度湿度別粘度を正確に調整する。
- ・スプレーガンの吐出量、パターン、ガン距離・速度を社内で決められた数値で作業する。
- ・屋外で使用する金属には耐候性の高いアクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料を選択し、紫外線に弱いエポキシ系は選択しない。
ただし、エポキシ系は高い防錆性があるので、下塗りには選択する。
塗装後にタレが発生する原因は?
垂直面に塗布した塗料が重力で下方へ流れ落ち、部分的に厚膜になる不具合です。
▽主な原因は次の事柄になります。
- ・乾燥が遅い溶剤(シンナー)の使用、または溶剤の入れすぎによる粘度の低下
- ・スプレーガンの移動速度が遅いか、製品との距離が近すぎ
- ・下塗りが乾かないうちに上塗りをしてしまうセッティング時間の不足
- ・焼付乾燥で急加熱をしたため、塗料が硬化する前にゆるくなる。
▽M:対策として次の事柄があります。
- ・希釈率を下げて粘度を適正にするか、乾燥が早い溶剤に切り替える。
- ・スプレーガンの適切な使用。
塗装後にスケが発生する原因は?
塗膜が薄すぎて下地や下塗り層が透けて見える不良現象です。
▽主な原因は次の事柄になります。
- ・シンナーの希釈率が高すぎて、適正な塗料の粘度の不足
- ・スプレーガンの移動速度が速いか、製品との距離が遠すぎることによる塗料の付着不足
- ・塗料の顔料が容器の底に沈殿し、樹脂分だけで塗っている塗料の撹拌不足
▽M:対策として次の事柄があります。
- ・希釈率を下げた粘度の適正化
- ・スプレーガンの適切な使用
- ・隠蔽性の低い色(黄色、赤色、オレンジ色)を塗る際はあらかじめ隠蔽性の良い同系色の下塗りを行う。
高い防錆性を出すには?
工業塗装で重要な錆止めの要素としては次の通りです。
- ・表面の汚れ、既存の錆、油分、水分を完全に除去する素地調整
塗膜寿命の8割がこれで決まるといわれている。 - ・既定の膜の均一な確保
エッジなどの薄すぎる部分はピンホール(微小な穴)から錆びる。 - ・乾燥条件の遵守
冬場の低温や梅雨時の高湿度など乾燥時の温度、湿度、硬化時間の遵守が必要
▽M:対策として次の事柄があります。
- ・素地調整については、湯、水洗いからアルカリ脱脂、必要に応じてリン酸亜鉛処理を行い温風による乾かし、たわしなどによる磨きを行う。
- ・エッジなど塗料が薄くなる部分については、膜厚を確保することを目的とした2回塗りをする。
- ・防錆塗膜の性能を100%発揮させるために必要なのが最終工程の乾燥で、乾燥工程で重要なのは環境管理と時間管理となる。
エポキシ樹脂系などの工業用錆止め塗料は5℃以下の温度では硬化が著しく遅く、85%以上の湿度では塗膜の表面から水分が入りやすくなる。
また、材料の表面温度が結露する温度では目に見えない水滴が付着するため温度と湿度の環境管理がとても重要である。
時間管理では、塗料が乾いていくプロセス(指触乾燥、反硬化乾燥、硬化乾燥、完全硬化)の塗料特性に合わせた時間管理が必要で、内部に残った溶剤を乾きやすくするための塗装後の 常温放置(セッティング)時間、乾燥炉の昇温パターン、塗り重ね乾燥時間の管理が重要となる。
2.コストに関する事柄
コストダウンを図るために材料、加工、塗料の側面から考慮します。
材料(被塗物・素地)からみたコストダウンは?
生鉄から電気亜鉛メッキ鋼板や高耐食メッキ鋼板に変更することにより見えない内側面を無塗装にできるため厳密なマスキングが不要になり工数と塗料代を削減できます。
また、溶接やビス止めによる複数部品の構成から一体成型やプレスによる一体化へ変更することにより塗装のセッティング時間が削減されます。
また、溶接やビス止めによる複数部品の構成から一体成型やプレスによる一体化へ変更することにより塗装のセッティング時間が削減されます。
塗装のコスト(加工賃)を下げるポイントは?
一番効果が高いのは、見えない部分や多数の人に見られない部分へ高級塗装を施すといった過剰品質を見直すことです。同色でのまとめ生産や塗料の支給も効果的です。
また、乾燥炉の温度を下げるか通過時間を短縮するや塗料を低温硬化型へ移行する方法もあります。
また、乾燥炉の温度を下げるか通過時間を短縮するや塗料を低温硬化型へ移行する方法もあります。
塗料からみたコストダウンは?
空中に飛散する塗料のロスを減らすため、溶剤系塗装から飛散した塗料を回収可能な粉体塗装へ変更する。
また、色合わせに時間がかかるため、日本工業会の標準色や弊社が常備している定番色であれば可能です。
また、色合わせに時間がかかるため、日本工業会の標準色や弊社が常備している定番色であれば可能です。
3.環境対応に関する事柄
溶剤から水性塗料への変更は問題ないか?
VOC(揮発性有機化合物)削減のため、水性塗装への需要は高まっています。
▽水性塗装でよくある質問は次の通りです。
- ・色ムラがおこらないか
→現在の水性塗料は、従来のデメリットである防錆性・耐久性が溶剤塗料に匹敵し、つや感、発色および多色の選択肢増等改良されており、それに対応した下地処理、乾燥工程等の見直し等塗装技術も向上しています。 - ・溶剤塗装に重ね塗りはできるか
→溶剤塗装が乾燥していれば、重ね塗りできます。(ただし、試し塗りの確認が必要) - ・値段は変わらないか
→塗料は割高になりますが、非危険物のため管理や廃棄のコストを抑えることが可能です。
水性塗料で重要なのは、予備乾燥の工程が必要であり、弊社では水性専用のブースや乾燥炉を設けています。
粉体塗装のメリットは?
最大のメリットは、有機溶剤を一切使用しないため水性塗装と同じく塗装時のVOC(揮発性有機化合物)を削減でき、1回塗りで溶剤塗装の4~5倍の厚い塗膜を形成でき、耐用年数も15~20年の長期にわたります。
また、対象物に付着しなかった粉体塗料を回収して再利用も可能なため塗料のロスも少なく経済的ですが、色合わせができないことや薄膜塗装ができないデメリットもあります。
また、対象物に付着しなかった粉体塗料を回収して再利用も可能なため塗料のロスも少なく経済的ですが、色合わせができないことや薄膜塗装ができないデメリットもあります。



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〒486-0925
愛知県春日井市中切町75番地
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ポリエステル塗装
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エポキシ、ウレタン塗装
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